2011年の日本脊椎脊髄病学会による全国脊椎手術調査では、全脊椎手術の30.2%はインプラントを利用する脊椎インストゥルメンテーション手術が占めており、その頻度は年々増加しております。現在、わが国には脊椎手術を対象とした全国データベースは存在しません。脊椎インストゥルメンテーション手術は高額なインプラントを使用するため国民医療費の負担が大きいこと、前述の全国調査による合併症発生率は他の脊椎手術(9.5%)に対しインストゥルメンテーションを用いた手術(14.9%)が有意に高いこと、新規インプラントが続々と開発され主に海外から導入されることなどから、他の脊椎手術に先駆け、脊椎インストゥルメンテーション手術の全国データベースを構築し、現状を把握する意義は大きいと考えます。このデータベースから得られる情報は、国民医療費の改善、医療の質の向上、日本発の新たな医療技術開発に大きな効果をもたらすことが期待されます。
日本脊椎インストゥルメンテーション学会員の所属施設であれば、各施設の倫理体制に合わせた申請をいただければ参加できるシステムになっております。本データベースは今後本学会の核となるプロジェクトであり、今後も継続することにより将来の脊椎インストゥルメンテーション手術の基盤となるわが国発のエビデンスを構築していきたいと思います。JSIS-DB(脊椎インストゥルメンテーション手術登録システム)へのご参加を是非お願いしたいと思います。会員の皆様方のご協力を、よろしくお願い申し上げます。
日本脊椎インストゥルメンテ−ション学会 理事長 種市 洋
データベース委員会 担当理事 松村 昭
データベース委員会 委員長 上田 明希